【動画あり】 床下エアコンで快適な家づくり|全館空調や床暖房との違いも解説
こんにちは、クオホームの本田です。
今回は、家を建てたりリフォームする上で、床下エアコンについて悩んでいる人向けの記事です。
床下エアコン?床暖房?全館空調?どれがいいのか選ぶ基準がわからないという人はぜひお読みください。正直、弊社では床下エアコンをおすすめしていますが、本記事ではメリットだけでなく、デメリットもしっかり説明しています。
良い点、悪い点を考えた上で、床下エアコンにするか、床暖房やそれ以外の全館空調を選ぶか、検討してください。
動画「全館空調システム 床下エアコンを解説」
床下エアコン・床暖房・全館空調それぞれの違い
まず床下エアコンと床暖房と全館空調について、何が違うのかわからない人もいることでしょう。
ざっくり説明すると
全館空調・・・家全体(一階や二階すべて)を、1台や2台のエアコンで温度調整する空調システムです。細かい性能や仕組みは取り扱いのメーカーによってもさまざまです。
床暖房・・・床暖房は、床自体を熱伝導や温水で温めます。部屋単位で施工するので、リビングは暖かくても廊下は寒いということが起こります。廊下にも床暖房をつけた場合は、廊下の床暖房スイッチもONにしなければなりません。
床下エアコン・・・床下に設置したエアコンで、各部屋を下から温める空調システムです。一つのエアコンで一階部分全体を温められる特徴は、全館空調と同じです。
以上のように覚えてください。では、床下エアコンにはどのようなメリット・デメリットがあるのか、それぞれ見ていきましょう。
床下エアコン6つのメリット
床下エアコンを検討するなら、メリットを知っておくとよりイメージが湧くと思います。
- 温度のバリアフリー化ができる
- 足元が冷えない
- 見た目がスッキリする
- 風が直接当たらない=健康にも良い
- 費用が安い
- 修理対応がラク
上記6つのメリットについて、詳しく解説していきます。
メリット①温度のバリアフリー化ができる
床下エアコンを採用することによって、一階の床の温度むらがなくなります。
後半でも説明しますが、床下エアコンにするにあたって、家の一階部分の基礎がつながった構造になります。
つまり、家の一階部分全体(リビングやホール、トイレ、お風呂など)全てが床下エアコンの温風によって温められるのです。
温度のバリアフリー化によって以下のようなことがなくなります。
- 廊下に出ると寒い
- 別の部屋に入ると寒い
- 脱衣所が寒い(一階の場合)
上記のようなことを防ぐことによって、ヒートショックによる事故も防げます。
床下エアコンによる温度のバリアフリー化はとても大きなメリットと言えますね。
メリット②下から温風が来るため足元が冷えない
暖かい風は上にたまります。
通常のエアコンだと上から温風が吹きますが、またすぐに上昇していきますので、足元が寒いということがよくあるのではないでしょうか。
そのため、結局ストーブやこたつをつけて下を温めなければいけないということが起こります。
床下エアコンを導入すれば、足元から暖かくなるので、真冬も快適に過ごせるということです。
メリット③見た目がスッキリする
住みやすい家、快適な家を建てるなら、見た目ももちろん大切です。
床下エアコンにすることで、視界から隠せるため、部屋がすっきりします。
今、部屋を見渡してみてください。
通常のエアコンは上のほうに壁掛けしてあるとは言え、必ず視界に入ってくるのではないでしょうか。
これがなくなるだけでも、ずいぶん部屋が広く感じますし、好きな画を飾るスペースとしても使えます。
メリット④風が直接当たらない=健康にも良い
これは床上エアコンにするか、完全に床下から温風を出すかの構造によっても差はあると思いますが、直接体に風が当たりにくくなることもあります。
直接風を受けると、冷房や暖房に限らず、疲労感や体調不良を起こすことがあります。
床下エアコンにすることで、直接風が当たらないよう対策すれば、健康にも良いと言えますね。
メリット⑤比較的費用が安い
床下エアコンの導入費用は、ほかの全館空調や床暖房と比べてコストが安いです。
床下エアコンは特別なものではなく、家電量販店などに売っているエアコンと同じものを使うので、数万円から導入できます。
ただし、床下エアコンにするためには基礎構造や地中梁などの構造も関係してくるので、より詳細な価格は工務店に見積もり出してみてください。
メリット⑥修理対応がラク
床暖房や全館空調は、大掛かりな修理になります。
床暖房は床をはずさなければなりません。
しかし床下エアコンであれば、床下にあるエアコンだけ修理すれば良いので、専門業者に依頼する必要がありません。
30年40年住むと考えた場合、修理がラクな床下エアコンはおすすめできます。
床下エアコンのデメリット
弊社クオホームでは床下エアコンを推奨していますが、もちろんデメリットもあります。
デメリットをよく理解していただいた上で、メリットが勝ると思ったら、床下エアコンの導入を検討してみてください。
- シロアリ対策を入念にする必要がある
- 夏の冷房は効きにくい
- メーカー保証がない
- 家の基礎性能がある程度必要
それぞれ具体的にどういったデメリットがあって、どんな対策が必要か解説していきます。
デメリット①シロアリ対策を入念にする必要がある
まず一つ目が、シロアリ問題。
床下空間を使った空調システムだと、基礎の仕様は基礎断熱工法にする必要があります。
基礎断熱工法になるとどうなるかというと、床下をすっぽり囲った構造になり、シロアリの被害に気づくのが遅れます。
床断熱工法だと床下を目視できるのですが、基礎断熱だとシロアリが断熱材を通って、柱や壁に侵入してくるためです。
それを防ぐためには、しっかり防蟻処理をしておかないといけません。
防蟻処理の仕方は色々ありますが、今のところ最良だと思ってるのは、ホウ酸処理といった防蟻処理です。
その他、シロアリ対策についてより詳しく動画でも解説していますので、気になる方は参考にしてください。
シロアリ対策をしっかりと行う事が、床下エアコンを施工するに当たって、非常に大事な作業になると思いますので、知っておいてくださいね。
デメリット②夏の冷房は効きにくい
メリットの②であげたのと反対で、冷たい空気は下に落ちます。
そのため、部屋全体に冷たい空気が行き渡らず、上からのエアコンよりも効きが悪いと感じることがあるかもしれません。
対策としては、ブースターファンという空気を送る機材で、冷気を上にあげることができます。
あとは、後ほど詳しく説明しますが、床下エアコンの導入にあたって、家の性能がある程度高い必要があります。
家の性能とは、気密性や断熱性などの性能を指していて、夏は涼しく冬は暖かい家を目指せる家が高性能な家です。
そもそも夏も比較的涼しく過ごせる家として建築するので、例えばアパートやマンションなどのように、真夏は部屋が蒸し風呂のように暑い…ということはありません。地域差もあるかとは思いますが、エアコンが床下にあるからといって熱中症の危険性や汗だくになることはないので、そこまで心配しなくても良いかと思います。
デメリット③メーカー保証がない
家電量販店で売っているエアコンを導入しても、残念ながらメーカー保証はありません。
壁掛けエアコンは、壁にかけて使用した際には、故障に対するメーカー保証がありますが、床下エアコンとして使用した場合、故障してもメーカーは保証をしてくれません。
本来の使い方とは違うからですね。
ただ、エアコンも当たり外れがあって、壊れる時は壊れますし、壊れない時は壊れないと思っていまして、エアコン自体、通常の一般市販品を使っていますので、他の空調システムに比べると、安価な商品です。
床下に半分埋め込んだ状態で施工していますが、外で使ったり、変な使い方をしている訳ではないので、エアコンの保証がないからといって、すぐに壊れるかどうかは、別問題なんじゃないかなと思っています。
それでも、どうしてもエアコンの保証を付けたいとおっしゃる方は、床下エアコンを止められたほうがいいと思います。
エアコンの保証に関して、いろいろ言われる方もいらっしゃいますが、室内で使用しているのでエアコンがすぐに壊れてしまったという事例もあまり聞きません。
例えば、エアコンが50万円や100万円するような高価な製品で、そういったエアコンを使って保証が付かないのは問題だと思いますが、家電量販電で買えるようなエアコンは、1台10万円しないものも多いです。ネットで買うと大体10万ぐらいで購入する事が出来ます。
メーカー保証がないリスクと、床暖房やほかの全館空調にした時のコストを天秤にかけた時にどちらが良いかは、他のメリットデメリットと併せて判断してみてください。
デメリット④家の性能がある程度必要
本記事で何度か話題に出しましたが、床下エアコンを導入するには、家の性能がある程度必要です。
基礎断熱工法の採用や気密性能について次の項目でそれぞれ詳しく解説していきます。
床下エアコン導入に必要な家の性能について
床下エアコンを施工する際に気を付けておかないといけないポイントがありますので、それについて解説していきたいと思います。
まず1番大事なのが、家の性能を良くする、家の気密を良くするという事です。
基本的に家全体の性能が高くないと、全館空調システムをつけてもコスパは悪くなるだけです。
まずは、基本的な家の性能を上げましょう。
家の性能指数(HEAT20)
ここで注意してもらいたいのが、家の性能指数はどのくらい必要か。
結論言うと、HEAT20(住宅の断熱性能を表すレベル)の指針の中で表されている『 G2 』グレードを目指して頂きたいです。
HEAT20のG2グレードについて
HEAT20は「住宅の断熱性能を表すレベル」として設けられた基準で、G1<G2<G3の順に、断熱性能が高くなっていきます。
そしてG1やG2を示すのに必要な指標に「Ua値(ユーエーチ)」という、断熱性能を表す指標を使います。
ここまでくると専門的な部分になるので、難しくてわからないと思うかもしれませんが、もう少々だけお付き合いください。
難しくて無理だという人は気密性能の項目へ。
では、『G2』グレードにするためのUa値は、実際どれぐらいなのかというと…
上記画像のように、省エネ基準地域区分というのが全国で割り当てられていて、地域ごとに決められたUa値で家を建てなければ、該当する省エネ住宅に関する等級を得られないというものです。
例えば弊社クオホームの管轄エリアだと、姫路なので6地域に該当。
最低レベルの等級4だとUa値0.87以下、等級7を目指すならUa値0.26以下でなければなりません。
そしてHEAT20のG2レベルは、表で言うと断熱等級6に該当するので、0.46という数値を保つように家の性能基準を得る必要があります。
このUa値が低くないと、家の中の暖めた空気が家の壁を伝って結局外に逃げていっちゃいます。
エアコンをつけても、家の中がいつまでも暖まらないという状況になってしまうので、やはり家の断熱性能は高めておきましょう。
その基準として弊社が推奨しているのが、G2グレードで示されているUa値だという事です。
とはいえ、必ず『 G2 』グレードをクリアしなければ、床下エアコンの意味がない訳ではありませんが、最低でもそれを基準に見て頂けたらと思います。
注意ポイント:
令和元年の11月16日に、“建築物省エネ法の改正に伴う地域区分の見直し”が行われていますので、地域区分が少し変わっています。
ご自身の住んでいる地域、建築予定地が、どの地域に該当するのかをまずもう一度調べ直してみて下さい。
リンクページを下に貼っておきますので良かったら確認してみてください。
また、HEAT20について「全館空調の評判が知りたい?それならHEAT20を知っておこう!」の記事でも詳しく解説しています。
気密性能
気密測定も、必ず行ってほしい作業のひとつ。
気密 = 家の中にある無駄な隙間 のことです。
これを数値で表すとC値。この無駄な隙間をなくす気密の工事は必須です。
C値は、どのくらいを目安に施工するべきなのか。
弊社が推奨しているのは、1.0以下。理想値は0.5前後。
この無駄な隙間をなくしておかないと、家の中でせっかく暖めた空気が、その隙間からどんどん外へ逃げていくので、同じくエアコンの効率が悪くなります。
もし、床下エアコンや全館空調システムをされる場合は、ぜひ気密測定をしてもらいましょう。
このC値を測定するタイミングにもいろいろ議論がありますが、工事中でも良いですし、完成後でも良いと思います。
気密測定の方法が気になる場合は「日本住環境株式会社」さんのブログでわかりやすく解説されています。
また、このC値について、
他の会社で、『モデルハウスのC値が0.2でした。ですから大丈夫です。』
と言われたなんて話もお聞きします。
が、モデルハウスのC値なんて関係ありません!!
C値というのは、すべて現場で測定するものなんです。
仮にモデルハウスでC値が0.0だったとしても、自分の家とは関係ありません!!
必ず、施工中のお家で測定してもらいましょう。
住宅の基礎構造や地中梁の有無
次に、基礎の仕様がすごく大事です。
実際にオーナーさんが見てもあまり分からない部分ではあるかもしれませんが、基礎の中の工夫が必要。
見て頂ければ分かる通り、床下エアコンは半分が床下部分に埋め込んであります。
基礎の中をエアコンの空気が循環しています。
皆さん基礎部分を思い浮かべてみて下さい。
そうです。基礎にはいくつもの壁が立ち上がっています。
その立ち上がっている部分によって、どうしてもエアコンの空気を流す邪魔をされてしまうのです。
この基礎の立ち上がりが沢山あり過ぎると、家の隅からエアコンの空気を送り込んでも、立ち上がりが邪魔をして、基礎中に空気が回らないという事態に陥ります。
では、どういった工夫をするのか。
まず、基礎の立ち上がりを減らします。
しかし、基礎の立ち上がりを減らすだけでは、当然構造的に問題が出てきます。
その問題が起こらないようにどうするか・・。
そこで、地中梁(チチュウバリ)というものを使います。
地中梁とは何か??
名前の通り、地中に埋められた梁のコトです。
この地中梁を使って、基礎の立ち上がりを減らすコトが出来ます。
全て無くすというわけにはいきませんが、地中梁を使うコトによって、基礎の立ち上がりをずいぶん減らすことができます。
ですから、そういった基礎の構造検討をできるかどうかというのも一つのポイントに。
床下エアコンを導入するなら、通常の基礎だけではなく、地中梁を使った基礎構造を検討してもらう必要があるので、そちらもご注意下さい。
温熱環境の世界ですごく有名な西方設計の西方先生をご存知でしょうか。その方は、コラム基礎という基礎を施工されています。
よく知られている基礎の立ち上がりは、壁のような形状ですよね。
西方先生がされているのは、こういった円柱型の基礎↓
このコラム基礎は、非常に空気の周りが良くなるので、空調の効率が更に良くなります。が、この基礎、施工が非常に難しいと言われています。
ですから、僕らのような一般的な工務店が床下エアコンを施工する場合は、地中梁を使って、できるだけ基礎の立ち上がりを減らす。
それが、一番現実的ではないでしょうか。
基礎の仕様についての工夫は、他にもあります。
基礎の外周部の高さと内周部の基礎の立ち上がりの高さを変えています。
どういう事かというと、基礎の立ち上がりがあっても、それを越えて空気が流れるように施工する事がポイント。
文章で説明しても分かりづらいと思うので、下写真をご参考に。
基礎と土台の間に、隙間がなさそうに見える面が外周部。
もう一方の面、基礎の立ち上がりがあって、上に黒い部分が見えますね。こちらが、内周部の基礎の立ち上がりです。
ここの高さを変えています。
上記の写真に見える黒い部分、これが城東さんの基礎パッキンです。
基礎パッキンの通気ができる製品です。通気パッキンと呼んでいます。
これを入れる事によって、仮に基礎の内壁に空気が当たったとしても、多少なりと通気パッキンから空気が逃げるような工夫をしています。
このように、基礎の立ち上がりを作るときに、基礎の天端の高さを変えています。
外周部と内周部の施工の高低差が、大体24mm。
弊社では、高低差を24mmに調整することによって、基礎の中でも十分に空気が流れるような工夫をしています。
これは結構見逃しがちなポイントになりますが、実際にこんな仕様が出来るかどうか、もしくは床下エアコンを施工されている会社が施工方法を知ってるかどうかは結構重要なポイントに。
難しい内容ですが、こういった情報も、オーナーさんがきちんと知っておく事が、結構重要なんじゃないかなと感じます。
ちなみに、外周部には天端リストという日本住環境さんのゴムのパッキンを入れています。
それを間に挟むことによって、土台と基礎が絶対に密着しない様に施工しています。
これは、湿気を防いだりシロアリ対策の為です。
この天端リストは、日本住環境さんのホームページに載っていますので、また良かったらご覧ください。
このようにして、土台と基礎の間に空気が通るようにしています。
これらの話をしても意味が分かっていない工務店さんに床下エアコンを施工してもらうと、効きが悪くなったりといった不具合の可能性もあるかもしれないので、ご注意下さいね。
床下エアコンの種類「壁掛け」「床置き」について
この床下エアコンですが、設置するエアコンのタイプが2つあります。
モデルハウスで採用しているのは、床置きタイプのエアコンです。
床に置いて設置するエアコンなんですが、ダイキンさんの通常の一般市販品のエアコンです。
これとはまた別に、皆さんがよくご存知の壁掛けエアコンを埋め込んで使用する場合もあります。
じゃあ、どちらがいいのか。
正直、どちらでも良いと思います。
が、多少なりともメリット・デメリットがありますので、その点について解説していきましょう。
壁掛けエアコンのメリット
まず、壁掛けエアコンの一番のメリットは、エアコンの本体の値段が安いコトです。
大体のお家が、6畳~8畳用で十分まかなう事が可能ですし、市販品の一番安いグレードのエアコンを付けるので、5万~8万ぐらいあれば、十分に設置する事ができます。このように、価格に対するメリットはあると思います。
床下も暖まりやすく、1階の温度ムラが少なくなりますので、そういった使い方をされる場合は、壁掛けエアコンが良いんじゃないかと思います。
それに比べて、床置きエアコンの価格は、10万~15万ぐらいします。
壁掛けエアコンのデメリット
床下エアコンの壁掛けエアコンにもデメリットがありまして、冷房時には一切使えません。
床に冷気を吹き出してしまうと、条件によっては結露してしまう恐れも。
また、冷気は上昇しにくいので、どちらかというと、壁掛けエアコンを使った床下エアコンは、冬場に活用するシステムとなります。
では、夏場はどうするのか??
夏場は床下エアコンが使えないので、それとは別に、壁掛けエアコンを付けていただくか、また別のシステムの冷暖房計画を考えていただく必要があります。
弊社でも採用している小屋裏エアコンだったり、階間エアコンというのもありますので、そちらも合わせて検討して頂く必要があるんじゃないかなと思います。
床置きエアコンのメリット
壁掛けエアコンに金額の面では勝てない床置きエアコンですが、メリットはあります。
温風が下に一気に吹き出すので、床の温度を暖めるのには、すごく効率が良いのです。
\床置きエアコンを実際に設置している動画もありますので、よかったら参考にしてください/
床置きエアコンは、上下に吹き出し口があります。
暖房機として使って頂く場合、上下両方から暖気が流れます。
つまり、床下にも床上にも温風が流れるので、リビングの中が暖まりやすくなります。
そして、この暖かい空気が早く上昇するので、2階を暖めるには非常に効率の良いタイプになっています。
しかし、どちらが良いかと聞かれると、実際にはいろいろな考え方があります。
僕らが、あえて床置きエアコンを採用するのには、理由があります。
何かというと、冷房機にも使えるという事。
基本的に夏場は、弊社も別のエアコンシステムを使って家の中を冷やすのですが、どうしてもめちゃくちゃ暑い時は、設置している全館空調システムのエアコン1台だけでは、効かない時があります。
ですから、その時は、床置きエアコンの上の吹き出し口から冷気を出し、夏場の冷房機の補助的な使い方も出来る、そういったメリットもあるので、採用しています。
例えば、すごく寒い地域。
寒い地域で冷房はあまり使わないような地域だと、逆に壁掛けエアコンの方が良いんじゃないかなと思います。
西日本地域や第6地域などは夏場暑くなる時も多いので、この壁掛けエアコンっていうので冷房機の補助として使うっていうのも考え方としてあるんじゃないかなと思います。
その辺も踏まえてどちらを使うかっていうのを考えていただけたらいいんじゃないかな、と思います。
床置きエアコンのデメリット
先程お伝えしたように、エアコンの上からも暖気が流れます。
設置場所によっては、この温風が体に直接当たってしまうので、それが不快だという方もいらっしゃいます。
そういった方には、壁掛けタイプのエアコンをお薦めします。
このように、メリット・デメリットがありますので、その辺も踏まえた上で、壁掛けエアコンか床置きエアコンか、どちらか選んで頂ければと思います。
床下エアコンは壁掛けと床置きどちらを選ぶと失敗しない?
現状としては、弊社の地域(姫路)は、夏場暑い地域なので、床置きタイプを多く採用しています。
そうは言っても、この床下エアコン、中にはどうなの?とちょっと懐疑的な意見の方も結構いらっしゃいます。そもそも、エアコンをこういった形で床下に置くというのは、いまいち納得ができないと言われる方も当然いらっしゃいます。
その意見もごもっともだと思います。
このように、いろんな考え方はあると思いますが、今現状として、一番コスパが良いと思っていますし、逆に、これが100%良い全館空調システムだとも思っていません。
当然、お金を掛ければ、いろんな良い全館空調システムがあります。
ただ、私達が優先して考えないといけないのは、コストパフォーマンスだと思っています。
床下エアコンを採用するメリットデメリット、また、床下エアコンでも、壁掛けタイプか床置きタイプか。
それぞれのメリットデメリットを踏まえた上で、皆さんが最終的に判断して下さい。
実は床下エアコンは夏も快適に過ごせる?
「デメリット②夏の冷房は効きにくい」で、夏は部屋を冷やしにくいと言いました。
しかし、床下エアコンを導入するにはそもそも高性能の家であることが前提なので、高気密・高断熱住宅であるという話も合わせてしましたね。
つまり、真夏でもそこまで暑くならないので、通常のエアコンもガンガン効かせる…といったことが少ないです。
住んでる地域が沖縄とかになるとまた話が変わってくるかと思いますが・・・
お住まいの地域の夏場の平均気温を調べた上で、施工業者さんに相談してみると良いでしょう。
まとめ:地域差にもよるがコスパが良いのは床下エアコン
ちなみに、他社が採用されている全館空調システムだと、Z空調やyucaco、ガデリウスさんが出しているRDKRという換気システムとダイキンのアメニティエアコンのベルトインエアコンを合体させたようなシステムもあります。
いろんなシステムがあると思うので、その辺も精査して、最終的にはオーナーさんに選んで頂けたらと思います。
ただ、弊社では、床下エアコンが一番コスパが良いと思って、採用させて頂いております。
この先もっと良い全館空調システムがあれば、ぜひそちらも採用検討していきたいなというところであります。
長くなりましたが、これが床下エアコンのシステムの概要となります。
最後に、もう一度まとめていきたいと思います。
床下エアコンを設置するために大事なのは、家の性能を上げるコト。
■UA値は、HEAT20のG2グレードを必ずクリアするという事が、必須条件。
■気密測定を必ず実施する事。最低でもC値1.0以下。
■施工方法
→基礎の立ち上がりを減らす
→防蟻処理をしっかり考える
→床置きエアコンか壁掛けエアコンかを検討する
これらをしっかり検討した上で採用していただけたらと思います。
ただ、施工する場合、基本的には工務店責任です。
施工してもらう工務店さんが、床下エアコンを実際採用した事のある工務店さんと情報交換が出来たり、施工を事前に見せてもらえたり出来るような工務店さんでやらないと、失敗するケースも。
工務店さんが意欲的にそういった勉強の出来る会社であれば、採用してもらってもいいんじゃないかと思います。
あくまでも、責任は工務店さん側にあると思いますが、工務店さんとよーく相談してから検討しましょう。
お客さん発信で無理やり施工させてしまうと、失敗してしまう事もあります!!
その辺を重々承知の上で、検討されてみてはいかがでしょうか。
また、他に全館空調システムで良いのがあれば、紹介していきたいと思います。
姫路エリアで床下エアコンについてお悩みの場合は、ぜひ弊社クオホームへお気軽にご相談ください。モデルハウスへご来場いただければ直接、床下エアコンの様子や使用感などを確認していただけます。